人生交響曲

TRPG中心に好き勝手だべる主婦の徒然日記。

花の国の呪われし者達−アージェ編・2−

女の子書くの楽しいですねっ!
とりあえず、5話で終わりそうにありましぇん。

 着飾った5人の少年少女達が、花篭を手にアステリアの祠に向かう。

 村から30分程歩いた先の山の中を、子ども達だけで進んでおり。
 村の祭りの間は、冒険者達も遺跡調査団も余程の急ぎでない限りは手を休める取り決めとなっている。
 その代わりに密かに護衛するという、ちょっとした小遣い稼ぎのような依頼を請けるのだ。

 穏やかな春の日差しが差し込む緩やかな山道を登っていきながら、アージェは前後を少年達に挟まれるようにして、一列になって歩く。
 祠には何度も行った事があり慣れている筈の山道が、どうにも歩きにくい。 
 少し重く感じられる服ではあるが、着飾る事などなかったので、やはり嬉しかった。

 花なんかと普段であるならば嫌がる少年達も、大人の仲間入りをするという儀式という事もあって、今日ばかりは神妙だ。
 祠に向かう間はお互いに口をきいてはならないというしきたりもあり、耳に届くには鳥の鳴き声と足音と互いの息遣いのみ。
 この坂を登りきれば、木々の合間から祠が見えるという場所まで来た時である。

 突然、山の静寂が破られた。

 同じ山の別な方角から、一斉に鳥が羽ばたいていくのとほぼ同時に、爆発と噴き上がった粉塵がアージェ達にも見えて、思わず立ち止まる。

「蝙蝠か、あれ?」

 粉塵の中から飛び立つ何かが此方へとやって来る様子に、少年の一人が指差しながら声を上げる。
 アージェも目を凝らして見つめていた時であった。

 「危ない!」

 繁みの中から伸びた白い手に手を捕まれ、アージェはいきなり引きずり込まれる。
 悲鳴を上げて倒れ込んだ彼女をすぐに背中に庇ったのは、銀色の拳大の球体を目の前に浮かせている15,6歳の少女であった。

「伏せて!」

 その言葉と同時に銃を先程までアージェがいた場所の頭上に向けて、呪文の詠唱の直後に発砲する。

【ギャッ!】

 撃ち出された弾は、上空を飛翔していたつるりとした暗褐色の肌の蝙蝠の翼を生やした人間の子どもくらいの大きさの魔物は、命中してふっ飛ばされ地面に落ちる。

「あ、あぁ・・・っ!」

「あれは何かって?」

 宙で羽ばたいているのは、同じようなのがあと2体。
 悲鳴を上げて倒れ込んだ少年は、魔物に尻尾を突き立てられそうになって、飛び蹴りを魔物に食らわせた筋骨逞しい男のおかげで、難を逃れる。

「インプよ!」

 初めて聞く魔物の名前と光景に、頷く事しかできないアージェは目を見開いたまま動けない。
 奇妙な笑い声を上げて飛び回るインプは、斬りかかろうとした戦士から逃れ、眼下を見下ろす。

 ニタリ。。。

 ゾクリとするような笑みを浮かべ何かを叫んだ直後、5本の矢がインプに突き刺さりそのまま落下した。

「大丈夫か?!」

 少年少女たちを守るように集まったのは、冒険者達。
 ほんの10数秒の出来事だった。
 だが、

「おい!」

 弓手が示したのは、先程粉塵が上がった場所。
 大きく羽ばたく音と共に、インプより大きな影が飛翔する。
 咄嗟に冒険者達は、子ども達を庇うように身を隠そうとするが間に合わない。
 だがそれは、そのまま彼等には目もくれずに飛び去っていく。

「助かった?」

「いや、違う」

「あっちは村だ!」

「父ちゃん達が!」

「馬鹿野郎、勝手に動くと死ぬぞ!」

 村に走って戻る少年を引き止める者、泣き出した少年を叱咤する者と、混乱しており。

「大丈夫?」

「・・・あ」

 茫然としていたアージェは、軽く頬を叩かれる。
 すぐ目に前にいるのは、銃を手に戦っていた先程の少女であった。
 まるで安心させるかのように微笑んだ。

「村に戻るけど、歩ける?」

 膝が笑って動けない。
 けれども、手を借りてなんとか立ち上がる。

「さっき、別のが村の方角に飛んでいったの。急いで戻るけど、ついてこれるよね?」

 村に近い山中とはいえ、子どもだけを置いていくわけにもいかない。

「は、はい、、」

 返事をして、頷く事も精一杯であった。
 だが、村には幼い弟達もいる。
 一刻も早く無事を確認したかった。

 
 結局、冒険者達と子ども達が村に戻って来れるのに、かなりの時間を要してた。
 それが却って子ども達は、誰一人として怪我なく戻ってこれたのである。

  村に降り立ったのは、1体の中級の魔神と配下であった数体の低級の魔神達であった。

 遺跡の奥深くに封じられていたのを、帰還していない別の冒険者達が封印を解いてしまったらしいのであるが、真相は解らない。
 問題の冒険者達は経験も浅く、どうやらその場で殺されたらしかった。

 村人たちの被害は、奇跡的に少なかった。
 怪我人は多数出たものの、多くの冒険者が祭りの為にその場に居合わせていたのが、幸いしたのである。
 アージェの弟達は、ハイジとニークライトに庇われ怪我一つなかった。
 ただひとつだけ気がかりな事。



「ほんとに、大丈夫?」

「大丈夫だよ、アージェは本当に心配性だな」

 誰に似たのやらと笑う父に、アージェは何も言えなくなる。
 魔神は最初にアージェの父の前に降り立ち、つかみかかって引き裂こうとした時、冒険者達によって命を救われたのだ。
 その際、一瞬ではあるが身体が縛り付けられたような感覚がしたらしい。

 祭りは結局中止となり、腕利きの冒険者達が件の遺跡へとすぐに調査に向かった。
 怯えている弟達は、ハイジとニークライトがそばについていてくれている。
 甘えてばかりで申し訳なかったが、今は父が心配であった。

「何かあったら、すぐに・・・」

 父の衣類を戸棚から出し、振り返ったアージェは息を呑む。
 魔神に掴まれた時に破れた衣服を脱ぐ父の指先の色が、ほんの僅かではあったがどす黒く変色していた。

「どうしたんだ?」

 不思議そうに父は、娘の顔を覗き込む。
 父は、自分の変化に気がついていないようであった。



 父が呪われたという事が判ったのは、それから3日後であった。
 毒にやられたのかもしれないと、冒険者達の中にいた神官が宿代の代わりにと、神聖魔法をかけたが効き目が全くなかったのだ。
 どす黒かった箇所は、徐々にではあるが白くなっていくと同時に硬くなっていた。
 ゆっくりと進行するタイプの呪いである事は間違いなかった。

 だが、呪いを解けるほどの実力がある神官はなかなかいない。
 何より、解呪には高額の御布施がいる。
 今のアージェ達家族には用意できる金額ではなかった。
 流石にハイジとニークライトには相談できない。
 父はなんとかなるから心配いらないと言うのみ。
 八方塞がりのアージェは、更に遺跡探索に失敗した挙句に夜逃げされた冒険者が泊まっていた部屋の後片付けが待っていた。

 泣きたい気持ちを堪えて、乱雑な寝台からシーツを引き剥がす。
 その時である。

【いてっ!】

「え?」
 
 どこからともなく声がした。
 だが、部屋にはアージェしかいない。

【もしかしておいらの声、聞こえてる?】

 きょろきょろと周囲を見回すが、誰もおらず仕事に戻ろうとすれば、また声がした。

【ここだ、ここ。お嬢ちゃんの足元。それにしても色気のないパンツだな】

「え?キャア!」

 咄嗟にスカートを押さえたアージェが目にしたのは、床に転がっている赤い宝石であった。

【冗談だって。安心しろ、見えてないから】

「え?えっ?」

 声は宝石からというより、頭の中に響いていた。
 宝石の前にアージェは座り込み、覗き込む。

【うん、悪くないな。磨けば光るっていうのは、まさにこの事だよな】

「あ、あの・・・」

 一人(?)納得している様子の赤い宝石に、アージェもどうすればいいのかわからない。

【ま、そのあたりはこれからとして。おいらはアル。お嬢ちゃんは?】

「・・・アージェ」

 どこかコミカルな声の調子に、素直に答えてしまう。

【アージェか。可愛い名前だな。なぁ、あんた。いま、すごく困ってるだろ?おいら、鼻がきくんだ。おいらなら、お嬢ちゃんを助ける事ができるんだぜ】

 自信満々なアルの声に、アージェは知らず引き込まれていた。

コメント

ぱんつううううう かる●ふぁー!
続きが楽しみです(キリッ

書かなきゃいけない使命感!(ないy>ぱんつ
女の子書くの楽しいですw

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