人生交響曲

TRPG中心に好き勝手だべる主婦の徒然日記。

在りし日-1-

リアルでなんだか気力吸い取られたのか、やる気とか色々フリーフォール級になくなった模様です(汗
いや、ゲームとかその辺りへの気力は相変わらずの駄目人間。
漸く、地獄の底から這い上がった気分。
地上の縁に手をかけたら、いきなり蹴り落とされてまた急降下の可能性もなきにしもあらず。
浮かばないものは、浮かばないものですね。
まぁ、色々と兼ねて。
1年?2年越しに漸く完成したSSでお茶を濁してみる。


お世話になっております『TRPG遊戯会』のレングラードPCのキアーロ・ディ・ルーナ(♂)の話。
とあるお方との過去話です。
一応、加筆修正したかもしないかも。

 ルーべ王国のルアーブルより船で約4日。
 紺碧のプロメルス海に位置する小さな島。
 その名は、『慰めの島』。
 物心つく前からの、馴染みの島。
 いつ建立されたのかすらわからないティガ=タルナの神殿。

 そこは、彼にとっては数少ない遊び場のひとつだ。

 神殿は遊び場ではないと眉を顰める者もいたが、彼はこの神殿で生まれた。
 島に常にいる者は数少ない。
 神殿長である母と、その夫でもある神官戦士である父。
 そして、自分。
 
 他の者もいたが、だいたいはルアーブルからやってきても長くて数年でまた帰ってしまう。
 当然ながら、子供はいない。
 たった一人を除いて。

 キアーロ・ディ・ルーナ

 苗字は別にあるが、長いので実は本人もよく覚えていない。
 明るい月の夜に生まれたという理由で両親が名づけたらしいが、本名をそのままで呼ぶ者はおらず。

 黒い髪と輝く黒い瞳。
 母はジェルクエルフであるが北方より流れてきた人間の父の影響で、少年の肌も日に焼けているも随分と白い。
 同じ年頃の遊び相手はおらずとも、海は友達であり。
 訪れる者たちもまた、少年の友となってくれた。


「子供?ぼくと同じくらい?」

『いや、確か・・・3つか4つくらい下だったと思うぞ?』

「えー」

『弟がほしいって言ってたじゃない、ちょうどいいんじゃないのかしら?』

『弟か妹なら、今かr・・・・ゴフッ?!』

『まだ、お昼前よ。あなた?』

『スミマセン』

「???」

 本日の定期便で、両親と以前より親交のあった者たちがこの島にやってくるらしい。
 短くても数ヶ月、長ければ年単位になると教えてくれた。
 少年の両親と同じく、エルフと人間の夫婦。
 さらに少年よりは少し年下ではあるが、子供も一緒という話だ。

 どうせなら、同い年のほうがよかったけれども、子供なぞこの島には滅多に来ない。
 せいぜい、慰霊祭か神殿に従事する者たちの家族が訪ねてくるくらいなのだ。
 贅沢は言ってられない。


「船はいつくるの?」

『いつも通り、もうすぐじゃないかしら?』

『そうそう、お前にも扱える剣も一緒に届く筈だ』

「ほんと?やった!!」

『だがな、前々から言ったように、武器は玩具じゃない。ましてやお前は神官戦士に・・・』(うんたらかんたら)

『あの子なら、もういないわよ?』

『(しくしく・・・・)』


 朝食が済めば、早速とばかりに家を飛び出す。(神殿は儀式の場であり、普段はすぐ隣の別宅に住んでいる)
 漁に出る者、鍛錬を行う者、掃除をする者、船を出迎える者。
 皆が顔馴染みだ。

 走り抜ける少年は、彼等に元気良く挨拶をしながら海に向かう。
 鼻腔をくすぐる潮の香りを胸いっぱいに吸い込みながら、走り続ける。
 辿り着いたのは、海と海岸を一望できる小高い丘の上。
 そこで、船が見えるのを待つ。

 さっきはあんな事を言ったけれど、本当は誰よりも心待ちにしていた。
 この島のボス(子供の中でという意味で)は自分だ。
 ならば、子分となるであろう者は、大事にしなくてはならない。

 逞しい海の男になりたいけれども、同じくらいに父のような神官戦士にもなりたい。
 父は部下を大事にし、慕われている。
 いつも自分にお土産をくれる船長も、海の男たちに慕われている。

 自分も、そうなりたい。
 いつかここを出たら、世界中の海を冒険してみたい。

 海の孤島でありながら、この島には謎が多い。
 どこからともなく湧き出る水のおかげで、緑が多いのだ。
 丘を覆う緑の草の上に寝転びながら船がくるのを待っていた。


「・・・・・・きた!!」


 遠くに見える帆船。
 見覚えのある旗印。
 皆が心待ちにしている定期船。

「船が、きた!船がきたよ!!」

 駆け戻る少年の甲高い声が、集落にも届く。
 まるでそれを合図であるかのように、人々もまた海岸へと向かう。
 この島に、港はない。
 遠浅であり珊瑚礁に囲まれたこの島には、ボートでなければ近づけないのだ。

 美しい帆船からおろされるボートが、少年の目にも映る。
 誰かがボートに降りているのが小さく見えれば少年の胸の鼓動も大きくなる。
 駆けつけた父の腕にぶらさがりながら我慢できずにぴょんぴょんと跳ね上がる少年を、父は肩車すれば少年の視界はさらに広がった。


「おーい!おーい!!」

 叫びながら手を振る少年に、ボートに乗った男たちが手を振り返す。
 馴染みの水夫たちだ。
 それにまぎれるように、見知らぬ者の姿もちらほらと見える。

 エルフの女性だ。
 母とは真逆の白い肌である事から、彼女がセファイトエルフである事に気付く。
 もう一人は、人間の男性だ。
 どこか楽しげな風貌で、手を振る父に手を振り返している。
 だが、子供の姿はない。

 どこにいるのだろうと、探すうちにボートは海岸に辿り着く。
 降りてきたセファイトエルフの女性に、ジェルクエルフである母は駆け寄り楽しそうに抱きつき挨拶をかわす。

『ほら、お前も挨拶をしないか』

「う・・・うん・・・」

 屈託なく誰とでもすぐに仲良くなる少年ではあったが、さすがに初対面となるとやはり気恥ずかしい。
 それに・・・一緒に来ると聞かされている筈の子供の姿がない。
 父もまたやってきた男と親しげに挨拶をかわしているのを横目でみていた時だった。

『大きくなったね、キアディ。おじさんの事、おぼえているかい?もう幾つになったんだっけ?』

「・・・9歳。」

『そうか、うちの娘より3つ違いだね』

『レムちゃんも、もうそんな年なのか。時がたつのは早いな』

『まったくだ。レム、いつまでも隠れてないで、出ておいで』

「・・・(むすめ?)」


 予想外の言葉に、少年__キアディはうろたえる。
 何かが音を立てて崩壊していくような気分。

『キアディ、娘のレム。レムティスだ。仲良くしてあげてくれるかい?』


 男が船から抱き上げて砂浜におろしたのは、小さな小さな・・・女の子であった。
 薄蒼の髪、蜂蜜色の瞳の。

 この瞬間、少年の中で何かが崩壊した。
 全く、別な意味で。


 はにかんで両親の後ろに隠れたしまった小さな女の子。
 ただ呆然と突っ立っているしかない、少年。


 それが、2人の出会いであった。


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