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人生交響曲

TRPG中心に好き勝手だべる主婦の徒然日記。

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花の国の呪われし者達 -旅立ち編・3-

年内に終わるかなぁ
まぁ、のんびりと。
最終章第3話です。


   

 夜も更け最後の客も千鳥足で漸く引き上げれば後片付けもそこそこに、アージェは自室に戻ると即座にベッドに潜り込む。
 そして隠し持っている赤い宝石を取り出した。

「アル、起きてる?」

 布団の中なのもできるだけ小声なのも、誰かに聞かれないようにする為だ。
 この4年間もの間、よくバレなかったものだと自分でも不思議なくらいであった。

【なんだよぉ・・・】

 ややあって眠たげな声が返ってくる。
 ゆっくりとした明滅もはじまり、アージェは改めて何があったのか説明をした。

【なるほどなぁ、あの色男が・・・】

 うーんと唸りながらも、アルは状況を理解してくれたようである。

「それがね、ハイジのおじいさんも、昔居なくなった事があったんだって」

【・・・】

「おじいさん、何があったのか誰にも言わなかったそうなの。長老様達は魔女に攫われたんじゃないのかって言ってたけど」

【有り得るな】

「え?」

【あの魔女は変に一途っていうか、惚れたら一直線っていうか・・・】

 面倒な事になったとぼやくアルを前に、アージェも考え込む。
 が、次の瞬間布団から這い出た。

【おい、どこに行くんだ?】

「森の魔女様に聞いてみる」

 幸いにも、今夜は新月だ。
 自分の呼びかけにも応えてくれるかもしれない。
 マントを羽織るアージェの姿に、アルは焦ったように声を上げる。

【馬鹿っ、やめろ。お前が敵う相手じゃないぞ!】

「喧嘩しに行くんじゃないよ。それにもしハイジ君が迷ってるなら・・・」

【とにかく、今はまだ駄目だ!今夜はすごく冷えるし!】

「この間まで雪降ってたのに戦ったじゃない!」

【あいつが心配なのはわかるけど、ほんとに魔女んとこにいるなら、今行っても藪蛇なだけだ!】

「どういう事?」

【もう少しだけ様子を見よう。おいらの勘だけどあいつは死んでなんかいない。それだけはわかる。今行くってんなら、おいらだって何が何でも嬢ちゃんを止めるからな】

 何時になく強硬な言葉に、アージェも動きを止める。
 暫くの間黙ったまま睨み合う(?)が、根負けしたのはアルの方であった。

【あいつがいるのかどうか、おいらが魔女に聞いてやる。それに魔女の住処は、簡単に辿り着けるような場所じゃない】

 必死に引き止めようとするアルの様子に、アージェは言い返せない。

【アージェ、引き合わせたおいらが言うのもなんだけど、魔女にはもうあんまり関わらないほうがいい】

「どういう事?」

【魔女は確かに嬢ちゃんの願いを叶えてくれた。でも、それはたまたまなんだ。気紛れだし、そもそも魔女は・・・】

「?」

 言い掛けてアルは黙り込む。
 何とも言えない沈黙がまた続く。

 自分はどうすればいいのだろうか。

 思いつかないままに、アージェはベッドに座り込んでいた。



 ゆっくりと身体を起こす。
 痛む箇所もないので、怪我をしている様子もなさそうだ。
 なのにひどく身体が重く頭の中も靄がかかっているかのようであった。
 起き上がるのも億劫になってくる。
 少し眠ったほうがいいのかもしれない。
 そんな感覚にハイジは目を閉じようとして、何者かが部屋に入ってきた気配を感じ取った。
 視線だけを向ける。
 そこにいたのは_。

 黒い髪と緑の眼差し。
 赤い唇に微かな笑みを浮かべた、妖艶な女がそこにいた。

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